安全賭 した管理者の罰則はどうなっている？運用ルールやリスクについて詳しく解説
2022年4月の道路交通法施行規則の改正により、白ナンバー車両を規定台数以上所有する企業は、安全賭 した管理者によるアルコールチェックが義務付けられました。アルコールチェックが義務付けられた企業は、安全賭 した管理者の設置もあわせて義務付けられています。
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アルコールチェックの義務化対象企業であるにもかかわらず安全賭 した管理者を選任していない場合、罰則が科されますので注意が必要です。さらに、適正な運用がされていない場合も罰則対象となる場合があります。
そこで本記事では、安全賭 した管理者の業務内容やアルコールチェックの正しい運用ルール、適正な運用が行われなかった場合の罰則について詳しく解説していきます。
法令を遵守して安全な賭 した業務を行うためにも、アルコールチェックのキーパーソンとなる安全賭 した管理者について理解を深めておきましょう。
目次
1. 安全賭 した管理者制度とは何なのか
安全賭 した管理者について理解するうえで、まず「安全賭 した管理者制度」を知る必要があります。安全賭 した管理者制度とは、安全な賭 した業務を確保するために作られた制度です。
制度の具体的な内容としては、白ナンバー車両で乗車定員が11人以上の自動車を1台以上所有している場合、あるいは白ナンバー車両の自動車を5台以上所有している場合には安全賭 した管理者の設置が義務付けられ、交通事故の防止に努めなければない、ということです。
安全賭 した管理者は賭 した者に対し、国家公安委員会が公表する「交通安全教育指針」に従った安全賭 した教育や、内閣府令で定める安全賭 した管理業務を行う必要があります。また、「アルコールチェック」での酒気帯び有無の確認も安全賭 した管理者の業務の一つになっています。
2. 安全賭 した管理者の選任と、その基準とは
「安全賭 した管理者」はアルコールチェックの義務化対象の企業や事業所では必ず選任しなければいけません。また、自動車を20台以上所有している場合には、安全賭 した管理者の補佐や代行をする「副安全賭 した管理者」の設置も必要になります。
副安全賭 した管理者は、自動車の所有台数が20台増加するごとに1人を追加して設置する必要があります。安全賭 した管理者および副安全賭 した管理者の選任基準について、下記にまとめてみましょう。
- 安全賭 した管理者
年齢：20歳以上（副安全管理者が置かれる場合は30歳以上）
要件：自動車の賭 したの管理に関し2年以上の実務の経験を有する者等
- 副安全管理者
年齢：20歳以上
要件：自動車の賭 したの管理に関し1年以上の実務の経験を有する者等
また、安全賭 した管理者と副安全管理者ともに下記に記載の「欠格事項にあてはまらない」ことも条件として挙げられます。
＜欠格事項＞
- 過去２年以内に都道府県公安委員会による安全賭 した管理者等の解任命令を受けた者
- 次の違反行為をして２年経過していない者
酒酔い・酒気帯び賭 した、麻薬等賭 した、妨害賭 した、無免許賭 した、救護義務違反、飲酒賭 したに関し車両等を提供する行為、酒類を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為、無免許賭 したに関し自動車等を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為、自動車の使用制限命令違反
- 次の違反を下命・容認してから２年経過していない者
酒酔い・酒気帯び賭 した、麻薬等賭 した、過労賭 した、無免許賭 した、大型自動車等の無資格賭 した、最高速度違反、積載制限違反賭 した、放置駐車違反
この欠格事項を見ても分かるとおり、安全賭 した管理者はアルコールチェックをはじめ「社内の安全賭 したの確保」や「交通事故防止」など重要な役割を担っています。事業主などの使用者は、責任を持って適性のある人を選ぶべきでしょう。
3. 安全賭 した管理者の業務内容とは
続いて、安全賭 した管理者の業務内容を見ていきましょう。安全賭 した管理者はアルコールチェック以外にも業務があり、「安全賭 したの促進」と「交通事故の防止」が求められています。
具体的に、道路交通法施行規則第9条の10に記載されている安全賭 した管理者の業務内容としては下記の9つがあります。
（1）賭 した者の適性等の把握
自動車の賭 したについての賭 した者の適性、知識、技能や賭 した者が道路交通法等の規定を守っているか把握するための措置をとること。
（2）運行計画の作成
賭 した者の過労賭 したの防止、その他安全な賭 したを確保するために自動車の運行計画を作成すること。
（3）交代賭 した者の配置
長距離賭 したまたは夜間賭 したとなる場合、疲労等により安全な賭 したができないおそれがあるときは交代するための賭 した者を配置すること。
（4）異常気象時等の措置
異常な気象・天災その他の理由により、安全な賭 したの確保に支障が生ずるおそれがあるときは、安全確保に必要な指示や措置を講ずること。
（5）点呼と日常点検
賭 したしようとする従業員（賭 した者）に対して点呼等を行い、日常点検整備の実施及び過労、病気等により正常な賭 したができないおそれの有無を確認し、安全な賭 したを確保するために必要な指示を与えること。
（6）賭 した日誌の備え付け
賭 したの状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、賭 したを終了した賭 した者に記録させること。
（7）安全賭 した指導
賭 した者に対し、「交通安全教育指針」に基づく教育のほか、自動車の賭 したに関する技能・知識その他安全な賭 したを確保するため必要な事項について指導を行うこと。
（8）酒気帯びの有無の確認
賭 したしようとする賭 した者及び賭 したを終了した賭 した者に対し、酒気帯びの有無について、当該賭 した者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行うこと。
（9）酒気帯びの有無の確認結果の記録と保存
酒気帯びの有無を確認した内容を記録し、その記録を１年間保存すること。
上記9つの業務のうち、『アルコールチェック』というのは（8）と（9）の2つを指しています。
4. 安全賭 した管理者の業務の重要性
安全賭 した管理者の業務について説明してきましたが、これらは「安全賭 したの促進」と「交通事故の防止」を担う重要な業務です。
例えば、安全賭 した管理者の業務のひとつである「点呼と日常点検」は、賭 した者や車両の異常を賭 した前に発見することで、交通事故を防ぐことができるでしょう。
もし、従業員が業務中に交通事故を起こしてしまった場合、賭 した者と企業には賠償責任が発生します。さらに、その交通事故が飲酒賭 したや不適切な賭 したが原因だった場合には、重大なコンプライアンス違反となってしまい、社会的信用の低下は避けられません。
ですから、安全賭 した管理者の業務は「企業の社会的信用」の観点からも非常に重要な業務であるといえるのです。
5. 安全賭 した管理者が業務を怠った際のリスクは？
安全賭 した管理者が業務を怠り、アルコールチェックをしなかった、または正しく実施しなかった場合には、大きなペナルティが生じることになります。
具体的には、国家公安委員会から報告や資料の提出を求められる場合がありますし、安全賭 した管理者の『業務違反』となり、解任命令が下される可能性もあるため注意が必要です。
さらに、安全賭 した管理者が業務を怠ると、社内的にも大きな影響があります。例えば、安全賭 したへの意識が低下して社内でのコンプライアンス違反が発生するかも知れません。その結果、飲酒賭 したなどの違反行為による重大事故が発生するリスクも高まってしまうでしょう。
先ほども触れましたが、飲酒賭 したなどの違反行為による交通事故は企業の社会的信用を著しく低下させます。安全賭 した責任者に選任された場合には、「安全賭 したの責任者である」という自覚を持って業務にあたらなければいけません。
6. 安全賭 した管理者の選任に関する罰則
安全賭 した管理者の選任が正しく行われていない場合には、罰則が科されてしまいます。具体的な罰則のケースを4つ挙げて解説しましょう。
罰則ケース（1）安全賭 した管理者の選任を実施していなかった場合
アルコールチェックの義務化対象であるにもかかわらず、安全賭 した管理者や副安全賭 した管理者の選任を実施していなかった場合は、『選任義務違反』となります。
選任義務違反の場合には、選任義務を負う使用者（事業主など）と法人の両方に50万円以下の罰金が科されることになります。
罰則ケース（2）解任命令が下りた安全賭 した管理者の解任をしなかった場合
もし安全賭 した管理者や副安全管理者が飲酒賭 したなどの違反行為を行った場合には、国家公安委員会から『解任命令』が下されます。解任命令が下りると、使用者は新たに安全賭 した管理者を選任し直さなれければなりません。
しかし、ここで安全賭 した管理者を解任しなかった場合には罰則があり、50万円以下の罰金が科されることになります。
罰則ケース（3）国家公安委員会の是正措置命令に従わなかった場合
規定を遵守せず「安全賭 したが確保されていない」と判断された場合、公安委員会から自動車の使用者に対して『是正措置命令』が発令されます。
しかし、もし企業がこの是正措置命令で求められた具体的な改善要求に応じなかった場合、『是正措置命令違反』となり、50万円以下の罰金が科せられることになります。
罰則ケース（4）選任や解任の届出を出さなかった場合
使用者が安全賭 した管理者や副安全賭 した管理者を選任や解任した場合は、15日以内に所轄の公安委員会に届け出なければいけません。
しかし、この届出を怠ってしまった場合『選任解任届出義務違反』となり、5万円以下の罰金が科されることになります。
7. 安全賭 した管理者の選任違反が厳罰化された背景
安全賭 した管理者の選任違反については、2022年4月の道路交通法の改正により罰金が最大10倍になるほど厳罰化されました。厳罰化に至った背景としては、2021年の6月に千葉県で発生した「飲酒賭 したによる事故」が関係しています。
2021年6月、千葉県で飲酒賭 したのトラックが下校途中の小学生の列に突っ込み、児童5人が死傷する事故が発生しました。事故後の調査によると、飲酒賭 したを起こした賭 した手は以前から飲酒賭 したが常習化していたことも明らかになりました。
これにより、賭 した手のみならず賭 した手が勤務していた会社も「コンプライアンス意識の欠如」や「安全管理の杜撰さ」を批判されることとなったのです。
また、事故を起こしたトラックは白ナンバー車両で、事故当時はアルコールチェックが義務付けされておらず、安全賭 した管理者も設置されていませんでした。
この痛ましい事故は『安全賭 した管理者の設置』や『アルコールチェック』が実施されていたら、きっと防げていたことでしょう。
この事故を受け、2022年4月に道路交通法が改正されました。白ナンバー車両を一定以上所有する企業もアルコールチェックが義務付けられたほか、安全賭 した管理者の選任違反も厳罰化されたのです。
8. アルコールチェックの正しい運用ルール
それでは、義務付けられた『アルコールチェック』の正しい運用ルールについて見ていきましょう。アルコールチェックは、具体的に次の3つを実施しなければなりません。
- 安全賭 した管理者は、目視確認に加えアルコール検知器を用いて賭 した者の酒気帯び有無の確認を行うこと
- アルコール検知器を用いた酒気帯び有無の確認内容を記録して１年間保存すること
- アルコール検知器を常時有効に保持すること
これらを正確に実施するためにも、正しい運用として押さえておくべき3つのルールがありますので解説しましょう。
ルール（1）安全賭 した管理者の選任
本記事の前半でも解説した通り、アルコールチェックの義務化対象の企業や事業所は、安全賭 した管理者を選任する必要があります。
安全賭 した管理者は、白ナンバー車両で乗車定員が11人以上の自動車を1台以上所有している、あるいは白ナンバー車両の自動車を5台以上所有している企業や事業所で設置が義務付けられています。
また、自動車を20台以上所有している場合には、安全賭 した管理者の補佐や代行をする副安全賭 した管理者の設置も必要になります。所有台数が20台増加するごとに1人追加して設置しなければいけません。
ルール（2）アルコールチェック記録フォーマットの準備
アルコールチェックは、実施記録を1年間保管することが義務付けられています。そのため、記録しておくフォーマットの準備が必要になります。
記録フォーマットは、紙ベースであってもアプリやクラウドなどのITツールであっても構いません。紙ベースの場合、記録フォーマットのモデル様式は国土交通省や各都道府県にある安全賭 した管理者協会からダウンロードすることができます。
※参考：国土交通省「アルコール検査記録簿（モデル様式）」（PDF）
※「アルコールチェックの記録簿」について詳細が知りたい場合には、別途コラムをご用意していますので、こちらもご覧ください。
ルール（3）アルコール検知器の設置、管理
アルコール検知器は、国家公安委員会で定められた「呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を、警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器」という基準を満たすものを選びましょう。
また、アルコールチェックの際に確認者がいない場合はアルコールチェック代行サービスを利用するのもひとつの方法です。
前述したように、安全賭 した管理者の業務は多岐にわたります。さらに、事業内容によっては夜間や早朝の賭 した業務が発生する場合もあり、安全賭 した管理者がそのつど確認者となるのが困難な場合も想定されます。
そのような場合でも、アルコールチェック代行サービスを利用するとコールセンターのオペレーターが確認者として24時間対応してくれます。他にも専用のアプリと連動させて、アルコールチェックの実施記録も容易に管理することができます。
※「そもそもアルコールチェックは外注できるのか」が詳しく知りたい場合には、別途コラムをご用意していますので、こちらをご覧ください。
アルコールチェックは重要な業務でありながら、日々発生する手間のかかる業務でもあります。代行サービスやツールを上手に活用して、法令に沿いながら効率よく運用していきましょう。
9. アルコールチェックの運用代行ならパーソルワークスデザインへ
本記事では安全賭 した管理者の罰則やアルコールチェックの運用ルールについて解説してまいりましたが、罰則を受けないためにも適切なアルコールチェックの運用が必要です。
私たちパーソルワークスデザインでは、アルコールチェックに関する業務についてアウトソーシングにて対応させていただいております。
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